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超音波を利用した診断・非侵襲医療 |
工学系研究科 機械工学専攻 教授 松本洋一郎 近年、超音波を用いた侵襲性の低い治療法の開発が進んでおり、さらにマイクロバブルの作用をカップリングさせた診断・治療手法の研究・開発が行われています。すでに実用化されているものとして「超音波診断」があり、これは、気泡に超音波を照射すると気泡は体積振動をし、新たな音源となって超音波を放出するといった現象を利用しています。その音圧は高周波の音を含んでいるため、例えばその高周波の音を検出することにより、鮮明な画像を得ることができます。 また、治療への応用としては、第一に「腫瘍の加熱凝固治療」が挙げられます。最近、HIFU(High Intensity Focused Ultrasound:強力集束超音波)による治療法が注目を集めていますが、超音波照射下に存在するマイクロバブルは超音波エネルギーを吸収し熱に変換することが知られており、その熱を腫瘍凝固に利用することにより、低出力の超音波による治療が可能となります。 第二の応用として「結石破砕治療」があります。超音波照射によって発生するキャビテーションは、結石周囲に存在する正常組織を損傷させる恐れがありますが、そのキャビテーションを結石表面に局在化させることによって正常組織の損傷を抑え、結石のみを破砕するといった手法が研究されています。結石表面を削り取るように破砕するこの手法は非常に細かい破砕片に砕くという特徴を持ち、より体に優しい治療法を開発できる可能性があります。 この他にもDDS(Drug Delivery System)、遺伝子導入など超音波とマイクロバブルを組み合わせた治療応用の進展が期待されています。 |
低侵襲レーザ治療法の開発研究 |
工学系研究科 機械工学専攻 教授 庄司正弘 近年の外科的手術においては、術後の疼痛が少なく、病後の快復が早く、合併症の少ない低侵襲の手術法が望まれています。こうした要求に応えるため、レーザ加熱と表面冷却法を用いた低侵襲性治療法の開発を目的として、医工が連携して基礎研究を行いました。新しい治療法は、レーザ加熱と強表面冷却を併用するものです。これにより、組織の内部に最高温度部を実現でき、その部分の温度を制御して組織の凝固、組織の再生が図られます。これを内視鏡下治療法や腹口腔法との併用して適切な加熱及び冷却条件を見出すこと、動物実験などを行って病理学的な評価を行うことが研究の目的です。治療原理に関する理論的検討、組織諸物性の測定実験、冷却式レーザ照射観察器具の開発、肉焼灼実験、予備的動物実験を行った後、最終的な検証実験として、犬の胃に対する動物実験を行って焼灼条件データを取得し、組織検査本本法の有効性を確認しました。 |
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