 |
 |
|
 |
||
|
||
|
|||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
 |
|
 |
| DNAを用いたバイオナノシステムの構築 |
 工学系研究科 機械工学専攻教授 鷲津正夫 DNAは4種類の塩基（アデニンA、チミンT、グアニンG、シトシンC）が0.34nmの間隔で並んだ構造を持ち、遺伝情報は、これらの塩基の並び方（配列）により記録されています。AはTと、GはCと特異的に結合する性質（相補性）を利用して、DNAはその構造を維持したり、自らを複製したりしています。もし、DNAを固定しておき、ここにオリゴヌクレオチド（短い1本鎖DNA）でラベルした分子を結合させれば、任意の分子を、任意の順序で、0.34nmの分解能で、基板上の特定の位置に自己集合的に配列することができるでしょう。このような技術には、分子エレクトロニクス素子の配列や、機能性分子の配列による機能性分子ユニットの構築、分子機械の組立などの応用が考えられます。DNAは化学的に安定であり、任意の塩基配列を容易に合成できるので、このような分子組立の鋳型（テンプレート）として最もふさわしい材料と考えられます。 そこで、本研究においては、微細加工技術により作られた微細構造中に電気力学的効果を用いてDNA分子を引き伸ばして固定し、ここに外来分子が結合する過程の1分子観察を通じた解明を行い、自己集合性による分子組立の可能性について探求しています。このような基礎過程の解明は、分子組立のような未来技術のみならず、DNAチップなどの塩基の相補結合に基づく医療診断技術の高度化にも貢献するものと期待されます。 |
 |
| セル・エンジニアリング・デバイスの研究開発 |
 生産技術研究所 機械・生体系部門（工学系研究科 環境海洋工学専攻） 助教授 藤井輝夫 生産技術研究所海中工学研究センター藤井（輝）研究室では、医学部付属疾患生命工学研究センター酒井助教授らのグループと共同で、細胞組織の培養および計測のための「セルエンジニアリングデバイス」の研究開発を進めています。ヒトの組織では、単に細胞が寄せ集まっているわけではなく、３次元的に高度に組織され、かつ毛細血管網に代表されるように、きめこまかな流体機能によって本来の生理的な機能が支えられています。そのようなマイクロ流体環境を実現する方法として、フォトファブリケーションによって製作するマイクロ流体デバイスを導入し、各種臓器細胞の培養や計測を試みています。 |
 |
| 超微細電極による脳機能の多点実時間計測 |
 工学系研究科 産業機械工学専攻教授 中尾政之 我々のグループは、微細加工技術を駆使して超微細電極を開発し、それを用いて脳神経系の多点同時計測・刺激し、脳機能の解明や先端医療技術の開発を目指しています。例えば、聴覚機能を代行するために、脳幹の蝸牛神経核を電気刺激する治療方法の基礎研究を進めています。この研究では、上図に示したような動物実験モデルを構築し、動物に音を聞かせたときと、脳幹を電気刺激したときとの2つの条件下で、大脳の聴覚野の神経活動を計測して、両者を比較します。大脳の情報処理を詳しく計測するために聴覚野に微小表面電極アレイを、また、正確に位置決めして脳幹に電気刺激を与えるために微小剣山電極アレイを開発しました。動物実験から、脳幹の適切な場所を適切な強さで電気刺激すれば、音の高さと強さは知覚可能であることがわかりました。 また、下図（a）に示すように、脳の毛細血管に多数の極細探針を導入し、脳内の任意の場所から神経信号を計測する手法を開発しています。このような極細探針には、血流で所望の場所まで安全に到達できることや、高S/N比の神経信号を計測できることが求められます。そこで、下図（b）に示すように、実際に毛細血管に探針を導入し、探針の安全性と血管内での挙動を調べました。また、下図（c）に示すように、探針をカエルの脊髄動脈内に導入し、脊髄の神経活動を計測しました。現在の探針は、下図（d）に示すように、約1�个寮箟鑁魘盧拈�を用い、電極インピーダンスを低下させ、高S/N比の神経信号を得るために、その先端に白金黒（微小白金粉末）を電着しています。 |
 |
→バイオ･医療イノベーション･プロジェクトTOPへ |
↑ページのTOPへ |