従来の物理, 材料, 化学の分野で発展してきたナノテクノロジーを取り入れた「拡張ナノ空間」学問体系を基礎として, 強い非線形システムに対応可能な新たな設計論を展開します. これらを行うため, ナノ・マイクロ領域の知識の構造化も行います．

拡張ナノ空間における流体の流動特性や流体／界面におけるエネルギー移動特性などの研究に用いる基本的な実験手法や解析手法を中心に研究成果を得た．例えば，表面支配となるこれらの特性では表面の化学制御が重要であるため，拡張ナノ空間における修飾分子の光パターニング法などを開発した．その結果，非定常非平衡熱伝導による熱抵抗の低減，表面電荷移動による電流生成の直接検出，表面プロトン移動による流体物性変化などの拡張ナノ空間に特異な現象を見出した．さらに，拡張ナノ空間抗原抗体反応による可算個タンパク分子の検出デバイスな拡張ナノヒートパイプなどの新機能デバイスの基礎実験にも成功した．