博士課程教育のビジョン

　グローバル化を背景に科学技術が飛躍的に進展する21世紀の知識基盤社会の中で、我が国の経済を活性化し、持続的な発展を実現するためには、国際的競争力を持つ産業の維持/育成が不可欠です。そして今、大学院教育には、多様に発展する社会の様々な分野で、技術革新を牽引できる人材の育成が期待されています。

　そこで、本COE拠点では、「揺るぎない基礎素養と高度な専門知に加えて、創造力や未踏分野の開拓力、そして国際的な視野とプロジェクト企画・マネージメント力を有する責任感と使命感のある人材の育成」を博士課程の教育ビジョンとして掲げ、国際的に魅力ある教育拠点の形成を目指します。

　文部科学省、経済産業省、経団連、日本学術会議、諸学会などでも大学院教育の改革に対して様々な動きがあります。これらの動き協調しつつも、21世紀半ばに視点をおいた長期展望に基づき、東大機械系としての特色ある教育システムを検討していきます。

　これまでは、教員内部の議論で留まることが多かった教育改革に関して、産業界、関連官庁、更には教育の受け手の学生をも巻き込み、開かれた議論ができる場を提供しています。そこでは、大学院教育に対する産業界からの様々な要求項目を整理し、その普遍的要素を抽出します。

　これらの活動を通じて、既に幾つかの新しい博士課程教育プログラムが提案、実施されています。ここでは、本拠点の人材育成に関する試みをご紹介致します。